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甲姫3 あとがき

2010-09-14

 前に小説を書くのがきつくなったと書きましたが、何とか書き終わることができました。
 ただいま、書き下ろしの小説の原稿用紙換算枚数を計算していて、しばらくこちらには書くことはできないと思います。
 が、問題は枚数。100枚以内なら短編として出すことができますが、101枚以上だと200枚以上にしないと、長編として応募することはできません。時には計算できない日もあるので、いつ枚数がわかるか……。とにかく頑張ります。
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テーマ : つぶやき
ジャンル : ブログ

甲姫3 空の乙姫-KUU NO OTOHIME-(23)

2010-09-08

   彼らのモノローグ()




   片山浩介

 取材をかねたスポーツチャンバラの練習をして、小説を書き進めると、僕は空間を切って、萩角家に行った。
 僕が姿を現すと、光川さんは屋根の上から降りてきた。
「それでは、始めましょうか」
「うん、始めよう」
 僕はオーラを両手から伸ばして、光の剣にした。光川さんは帯状の光を伸ばしていた。
「いきますよ」
 光川さんが右手の帯を投げてきた。僕はその帯をよけたが、同時に光の剣が帯を切り裂いていった。
「片山さん、今の技は……」
 問いかけられてもわからない。今秀次はここにはいないし、自分の力が上がったとしか言いようがない。
「わからないです……自分の新しい力としか……」
 僕がそういうと、光川さんは、
「それはすばらしいですね」
と言った。
「自分の力が上がるのはすばらしいことですよ。その光の刀だけで十分戦えるのではないですか? 他の武器を求めなくてもいいのではないですか?」
「確かに武器はこれだけでもいいかもしれない。でも、この光の剣では通用しない相手もいる。そういう敵と戦うために、新しい武器が必要なんだ」
「私の光の帯を切り裂くだけでも、相当な威力ですよ」
「でも、強くなるには、もっと強力な武器がほしいんです」
「そういえば、小説のほうはどうなっていますか?」
「もうすぐ書き終わりますよ。今度こそは報酬の乙姫を納得させる作品だと思います」
「それは楽しみですね。私も秀次さんに頼んで買ってもらい、読みましょうか」
「僕がスポーツチャンバラをやっているうちに、主人公は王室騎士隊の隊長になっちゃいましたからね」
「おやおや。一代出世物語ですね」
「えへへ。自分の経験を生かして書いた小説ですからね。楽しみにしてくださいよ」
「感想を楽しみにしてくださいね」
「まあ楽しみにしていますよ。それでは、特訓を続けましょうか」
「そうですね。続けましょう」
 そして僕と片山さんはそれぞれ構えた。(了)

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

甲姫3 空の乙姫-KUU NO OTOHIME-(22)

2010-08-12

   彼らのモノローグ()




   萩角秀次()

 学校の授業と部活を終えて、隔離時空地の宿泊舎にやって来た秀次と唯は、勉強の前に玄武の乙姫の吉野衣に話をするため、黄龍の乙姫である尾上かすみから、衣のいる部屋を尋ねた。
「玄武の乙姫は忙しいですから、会ってくれるかどうか……」
「急いでいるんだ。玄武の乙姫はどこにいるんだ?」
 そう騒いでいるところへ、
「うるさい! 何を騒いでいる!」
という大声とともに、探していた当人が現れた。
「あ、よかった、玄武の乙姫。君に知らせることがあるんだ」
「私に?」
「玄武の乙姫……君が地震について調べているのは、順徳院の霊を探しているからじゃないか?」
 唯の問いかけに衣は、
「なぜ……そのことを?」
をと問い返してきた。
 秀次が夕べの光輝と片山の戦闘の後、親玉が現れて名乗っていったことを話すと、衣の表情が硬くなった。
「順徳院……佐渡島の乙姫の継承のときに一時的に薄れた結界をすり抜けて、どこに行ったのかと思っていたら、何者かの肉体を乗っ取って悪霊を操る力を得ていたとは……」
「玄武の乙姫であるあなたが地震について調べていたのは、順徳院がその地震を起こしたからではないかと思っていたからでしょう?」
 唯が問いかけると、衣は、
「そうよ。菅原道真の怨霊によって、地震や雷などが激しく起こったことは知っているわね」
「はい」
 唯が返事をすると、秀次も
「聞いたことはあります」
と答えた。
「悪霊というものは、様々な天災を起こす。もちろん、それとは関係ないものもあるが、誰かが起こした可能性も否定できない。私はそれで、受け持ちの東北で起きた地震などの天災を調べていたのだ」
「でも、順徳院は東京まで来ていた……」
「知らせてくれてありがとう。これで私もこの宿舎を出て、受け持ちの地域を回ることができる」
「地震のほうは、もういいのか?」
「東京に来ているとわかれば、それでいい。それに私がここにずっといたら、受け持ち区域の別の悪霊たちの跋扈を許すことになる。そうならないようにするのが、本来の私の義務だ」
「そうか……他の悪霊たちのこともあるんだっけ」
 秀次が言うと、
「ああ。そのときには力を借りるかもしれない。よろしく」
と衣は言った。
「それよりも勉強をした方がいい。私は書類の整理をして、ここを出る準備をする」
「はい」
 秀次と唯が返事をすると、衣は自分の部屋に戻っていった。
「……それじゃあ、勉強を始めるか」
「そうだね。その後は修行だね」
 そう言って二人は食堂の机に座って、鞄の中から勉強道具を取り出し、勉強を始めた。(続)

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甲姫3 空の乙姫-KUU NO OTOHIME-(21)

2010-07-25

   彼らのモノローグ()



   萩角秀次()

「おはよう、唯」
 あの戦闘の夜が明けた朝、ベッドから起きて、朝の支度をし、食事を済ませて、玄関を出た秀次は、唯との待ち合わせ場所に到着した。
「おはよう、秀次」
 挨拶をした唯の顔は、寂しそうに見えた。
「どうしたのさ、唯」
 歩きながら秀次が言うと、唯は、
「夕べはごめん。わかっていたんだけれど、時間をとめたり、戻したりして、家を抜け出すのに時間がかかって、敵の気配が消えたので、部屋に戻ったんだ」
「謝ることないよ。戦闘練習中だった光輝さんや片山さんに僕の特殊触媒能力で力を増幅させて、その力で倒すことができたから。そりゃ、唯も俺を護るために参戦したかったのだろうけれど、責任を感じなくてもいいんだよ」
「でも……」
「あ、そうだ。唯に聞きたいことがあったんだ」
「聞きたいこと?」
「雑魚を倒した後に親玉が現れたんだけど」
「親玉だって!」
「うん、そいつ、自分の名前を名乗るとき、乙姫や甲姫になぞらえて、『軒葉あまり』って名乗ったんだ。わかるか?」
 秀次が尋ねた瞬間、唯の様子が変わった。
「確かにそう言ったのか?」
 怖い顔になった唯にびっくりしながら、秀次は、
「そ、そう、そう言っていたよ」
と言った。
「そうか……それで玄武の乙姫は地震のことを調べているのか……」
 唯のつぶやきに、秀次がわけがわからないという顔をしている。
「名乗った名前に、意味があるのか?」
「乙姫たちや甲姫は、百人一首から名前をつけていることはわかるか?」
「そういえば、以前、唯がそんなことを言っていたような……」
「親玉が名乗っていた名前というのは、百人一首の一番最後の歌『ももしきや古き軒端のしのぶにもなおあまりある昔なりけり』からつけたのだと思う」
「で、その歌を詠んだのは誰なんだ?」
「順徳院」
「ジュントクイン?」
「父親である後鳥羽院とともに、鎌倉幕府を倒そうと承久の乱を起こして敗北し、佐渡島に流された上皇だ」
「それが玄武の乙姫と何の関係があるんだ?」
「佐渡島は新潟県で、玄武の乙姫の受け持ちのところだ。彼女は地震があったところを調べているが、どうして調べていたか、今ならわかる」
「玄武の乙姫は、何を調べていたんだ?」
「濡れ衣を着せられて大宰府で亡くなった菅原道真の怨霊が天災を起こしたことは知っているだろう?」
「うん、知っている」
「親玉が現れて、自分を順徳院と名乗ったということは、自分が封じられていた佐渡島から抜け出して、自由に行動しているということになる。だから玄武の乙姫は、受け持ち区域の地震に順徳院が関わっていないか調べていたのだと思う」
「なるほど……」
「東北のあたりは地震が多いからね。菅原道真の怨霊が関わっていたものもあるように、順徳院が関わっているのもあるのかもしれない」
「でも、どうして調べているんだろう?」
「それは調べている本人に聞いてみたほうがいいんじゃないかな」
「そうだね。部活が終わってから、隔離時空地に行ってみたときに、聞いてみよう」
「それよりも、朝練に間に合わないよ。急ごう」
「あ、本当だ! 急ごう!」
 そう言って俺たちは、学校に向かって走り出した。(続)

テーマ : 自作連載小説
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甲姫3 空の乙姫-KUU NO OTOHIME-(20)

2010-06-21

   第四章 親玉-OYADAMA-()


 眠っていた秀次は、自分を狙う何かの気配を感じ取って跳ね起きた。
 確かに悪霊やオーラの気配を感じる。
 ベッドから降りて、部屋のカーテンを開けると、光輝の作り出す光、片山のオーラ、そして黒い何かが見えた。二人とも苦戦しているようだ。
(俺が二人を助けないと!)
 秀次は部屋から飛び出し、階段を下りて、ドアを開けた。
「秀次!?」
 オーラの二刀流で戦う片山が声を上げた。
「何をやっているんだ! 家の中に戻れ! 早く!」
 片山がそう言った瞬間、気配を感じたか、悪霊の一匹が秀次の方に向かってきた。
「秀次くん!」
 光輝が秀次を守ろうと、悪霊に光の帯を投げるが、間に合いそうにない。
 が、悪霊が秀次から数メートルまで近づいたところで、光の壁のようなものが現れ、悪霊はそれから放たれる光を受けて、消滅した。
(これが……触媒が持つ自己防衛の結界……)
 滝音や松浦が言っていた、触媒が自分で自分を守るための結界。それの力に、秀次は驚いた。
(それより今は、戦っている二人の力を増幅しないと!)
 そう思った秀次は、首についている制御用のチョーカーを消して、光輝と片山の二人のオーラと、自分のオーラを同調させた。
「な……!」
 力がみなぎってくるのを感じて、光輝が驚いた。
「これが……特殊触媒の……」
 片山もびっくりする。
「二人ともとにかく、悪霊を倒してください! 早く!」
 秀次が大声で、動きを止めてしまった二人に言うと、彼らは我に返り、悪霊たちを退治し始めた。
 光輝の帯は悪霊に巻きついて存在を消し、片山のオーラの剣は一刀で切り裂いた。
 秀次は二人のオーラと同調することに集中して、二人のパワーを上げていた。やがて悪霊たちは全て消え去った。
「触媒として、腕を上げましたね、秀次さん」
 光輝が光の帯を消して、秀次に声をかけた。
「そうそう。おかげで僕たちも助かったよ」
 オーラの剣を消し、片山も言う。
「いや、僕だけの力じゃないと思う。多分……」
「天の甲姫の力も働いているかもしれない……だろう?」
 突然の声(といっても耳から聞こえたのではなく、頭に直接響いたのだが)に、三人は声を感じた方を向いた。
 そこにいたのは、学生服を着た美形の男子学生だった。
「天の甲姫が器を失ったら、魂を奪おうと思っていたが、地の甲姫の融魂術に妨害されて、その触媒の身体を仮の器にするとは、考えたな。まあ、こちらはそれでもいいのだが」
「お前か! 天上の存在を消したのは!」
 秀次が大声で男子学生に向けて言う。
「そう。でも、存在が消えたのは地の甲姫の融魂術のせいだからね。その点は勘違いしないでほしいな」
「あなたの名前を聞かせていただきましょうか」
 光輝が怒りを抑えた声で言うと、相手は、
「そうだねぇ……甲姫・乙姫の名前のつけ方にちなんで、軒葉あまりと名乗っておこうか」
「軒葉……」
「あまり……」
 秀次と片山が、呟く。
「今夜は悪霊たちがどのくらい君たちに通じるかを試しに来ただけだから、これで失礼するよ。それでは」
 男子学生はそう言って、その場から消えた。
「瞬間移動?」
 光輝が言うと、
「多分そうだね。テレポーテーションとも言うけど」
と片山が言った。
 しばらく三人は黙り込んでいたが、やがて光輝が、
「秀次さん、あなたは早く寝たほうがいいですよ。十分に寝て、今の疲労を取ってください」
と秀次に言った。
「うん、わかった。そうする。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
 秀次は素直に頷いて、家の中に戻っていった。
「片山さんはどうしますか?」
 光輝が言うと、
「今回の戦闘が十分な訓練になったと思うので、今夜はこれで帰ります」
と片山は言った。
「そうですか。それでは光の帯の特訓はまた次の機会に」
「はい。それじゃ」
 片山はそういうと、手刀で空間に切れ目を入れ、それを広げて空間移動のための入り口を作った。
「それじゃ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
 片山はそう言って、空間の中に入った。
「さて……今夜は大丈夫そうですし、屋根の上に戻りますか」
 光輝はそう言って、高いジャンプをして、萩角家の屋根の上に戻った。(続)

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ありさという名前は、オンラインゲーム『ラブネマ』の中でのキャラクターネームです。雑誌投稿などでは、他にも様々なペンネームを使っています。

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