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甲姫2 光操師-KOUSOUSHI-(2)

2009-01-31


   彼女のモノローグ()



 私は受話器を手に取りました。
 すると、年を刻んだ手のしわがみるみるうちに薄れていき、背丈も伸びて、白くなっていた髪も黒く、長くなり、服も変わりました。
 これこそが「天の甲姫」の器となった者が与えられる罰。普段は年をとっているように見えても、昔の私を知っている人たちの前では、あの人とであったときの容姿に戻ってしまうのです。
 何回か同窓会にも行きましたが、同級生と会うその度に、昔の姿に戻ってしまう自分と、年を重ねていく同級生たちが感じる落差を思い、出なくなりました。
 いずれ孫娘もこの「罰」を身体で感じることになるのかと思うと、因縁のようなものを感じます。
 孫娘が自覚せずに恋をした相手は、特殊霊媒能力者。
 そして私が恋をした相手も、特異な能力の持ち主なのです。
 ピッポッパッ……。
 電話番号を打ち込み、呼び出し音が何回かすると、「彼」の声が聞こえました。
「はい」
「光輝(こうき)さんですか?」
 ああ、声まで若返っています。でも、仕方がありません。私の若いころを知る人たちの前では、たとえ電話を通してでも、若返ってしまうのですから……。
「そうですよ菊絵さん。……もしもし? どうかしましたか?」
 私は自分が若返ってしまう「罰」のことを思ってしまって、話をすることを忘れてしまいました。
「光輝さん、本日はお願いがあって電話しました」
「お願い、といいますと?」
「私の孫娘のことは、耳に入っていますか?」
「私もこの世界の人間ですからね……。聞きました。お孫さんが魂だけの存在になってしまって、地の甲姫の融魂術によって、その想い人だった人の魂の中にいることを……。しかもその仮の宿主は特殊霊媒能力者だというではないですか。天の甲姫が復活次第、彼が今度の天の甲姫の触媒となることは決定的でしょう」
「確かにそうでしょう……。でも、私たちと同じ苦しみを二人も味わわなければならないというのが悲しいです」
「……確かに私も年をとらないこの姿のままというのはつらいと思うこともありますよ。だからこそ、運動能力が衰えないことに、感謝することもありますが」
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:ありさ
ありさという名前は、オンラインゲーム『ラブネマ』の中でのキャラクターネームです。雑誌投稿などでは、他にも様々なペンネームを使っています。

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