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甲姫2 光操師-KOUSOUSHI-(15)

2009-04-28

   第三章 特訓-TOKKUN-()



 休日に部活を抜け出して、いつもの公園に足を運ぶ。隔離時空地の宿泊所の管理を任されている黄龍の乙姫、尾上かすみが入れた紅茶を楽しんでいた地の甲姫、司条玉緒が、それを察知して、空間を歪め、扉を開いた。
 秀次と唯が門の中に入っていき、閉まる寸前に光輝は飛び込んだ。水のような空間を経て、三人は四季の花々が揃って咲いている小道にたどり着いた。
 光を屈折させて姿を隠している光輝の目にも、ここの花々は美しく映る。まあ、ここなら秀次を攻撃する者はいないだろうから、少しゆっくり花々を眺めてみるかと思って、彼は辺りを見回した。朝顔とともに桔梗が咲き、ひまわりの根元にチューリップが咲くという光景は、ここでなければ見られない。
 秀次たちよりもゆっくりと足を進ませながら、光輝は花々を見ながら道を行く。
 河岸には、水かぶり修行をする兄と、それを手伝っている妹がいる。
(確か……)
 人の甲姫の触媒の魂を融魂している少年と、その妹だ。自分が人の甲姫の触媒になるための修業をしているらしいが、触媒は甲姫一人につき、一人と決まっている。それに、彼にはどうしてもなれない理由がある。
 のんびりするのはこの辺にするかと思って、光輝は足を速めて宿泊所に向かった。
「あら、おひさしぶりどすな、光川はん」
 術を解いていた光輝を見つけたのは、白虎の乙姫の村雨時雨だった。
「ここへは何のためにきはったんですの?」
「菊絵さんから萩角秀次という子のボディガードを頼まれまして。何でも現在の器であるお孫さんと天の甲姫の魂が融魂しているのだとか」
「はい。今、中で特訓中ですけれど」
「あ、私は中には入りません。まだ当分、私のことは黙っていてください」
 時雨が目をパチパチさせると、
「そういうことでしたら、そうしますけれど……」
と、かろうじて言った。
「すみません。そういうことにしておいてください。中にいる皆様によろしくとお伝えください」
「わかりました。それでは」
 そう言って時雨は宿泊所の中に戻っていった。
(どこまで特訓ができるやら……)
 宿泊所の玄関の近くに腰を下ろして、光輝は考えていた。(続)
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:ありさ
ありさという名前は、オンラインゲーム『ラブネマ』の中でのキャラクターネームです。雑誌投稿などでは、他にも様々なペンネームを使っています。

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